昔、というほど昔でもない少し前のある時期にMTG日本公式サイトにて渡辺雄也プロが書かれていたリミテッド考察記事「7つの分析」シリーズ。
当時リミテッドという遊びを覚えたてだった私は、記事を読んで参考にするだけでなく自前でも色々考えてみたものでした。

今ではもう記事の連載は終わってしまいましたが、モダンマスターズ(MMA)のスポイラーリストを見ていて久しぶりにそのことを思い出しました。
具体的には下記の7つの項目について注目し、セットを考察していくという企画でした。

1.クリーチャー除去
2.システムクリーチャー
3.タフネス1クリーチャー
4.マナ基盤
5.コンバットトリック
6.装備品
7.ブロックのメカニズム

この7つの項目に関する解説は↓の記事に書かれています。

渡辺雄也の「リミテッドのススメ」 第1回:7つ集めると願いが叶う? 新セットの攻略法!
http://mtg-jp.com/reading/watanabe/001092/


さて、ここではMMAの7つの分析を実際に行なってみたいと思います。
というのも、リストの初見での印象が「様々なカード同士のシナジーが入り組んだ複雑なセット」だったため、いきなりパックを剥くのには不安があるなと感じたからです。
・・・実際にパックを剥けるかどうかはともかくとして。

Modern Masters Card Image Gallery
http://www.wizards.com/Magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/modernmasters/cig


1.クリーチャー除去
コモン
《静寂の捕縛/Bound in Silence》
《うつろう突然変異/Erratic Mutation》
《引きずり下ろし/Drag Down》
《コショウ煙/Peppersmoke》
《巣穴の運命支配/Warren Weirding》
《踏み潰し/Crush Underfoot》
《焦熱の落下/Fiery Fall》
《氷河の光線/Glacial Ray》
《ぶどう弾/Grapeshot》
《ハンマーハイムの落とし屋/Hammerheim Deadeye》
《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
《岩石流/Torrent of Stone》
《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》

アンコモン
《流刑への道/Path to Exile》
《死に際の喘ぎ/Death Rattle》
《処刑人の薬包/Executioner’s Capsule》
《崩老卑の囁き/Horobi’s Whisper》
《結核/Phthisis》
《爆片破/Shrapnel Blast》
《突然のショック/Sudden Shock》
《雷雲のシャーマン/Thundercloud Shaman》
《部族の炎/Tribal Flames》
《電解/Electrolyze》
《稲妻のらせん/Lightning Helix》
《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》

枚数はかなり充実しています。
ただしほとんどが黒と赤に偏っており、青と緑に関してはまともな除去はないものと思ったほうがいいでしょう。


2.システムクリーチャー
コモン
《アムローの偵察兵/Amrou Scout》
《淡色のマイコダーム/Pallid Mycoderm》
《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse》
《荒廃語り/Blightspeaker》
《顔投げ/Facevaulter》
《ラースのわな師/Rathi Trapper》
《裂け目の精霊/Rift Elemental》
《スポロロスの古茸/Sporoloth Ancient》
《サリッド/Thallid》
《サリッドの発芽者/Thallid Germinator》
《サリッドの殻住まい/Thallid Shell-Dweller》

アンコモン
《砂蒔き/Sandsower》
《狂い婆/Mad Auntie》
《タール投げ/Tar Pitcher》
《胞子撒きのサリッド/Sporesower Thallid》

何かと種類は多いですが、大まかにレベル、ゴブリン、サリッド、それ以外に分けられるでしょう。
部族シナジーについては後の項目で改めて取り上げます。
意外とルーターがなかったり、ハスクが種族限定だったりしますね。


3.タフネス1クリーチャー
セット全体で見るとタフネス1のクリーチャーの数は多くも少なくもないといった感じです。
タフネス1で印刷されていても、能力で増えるものも何枚かあります。

しかし、種族ごとで見るとフェアリーはタフネス1が多いような印象を受けました。
また、キスキントークンや苗木トークンなど1/1のトークンは多く登場しています。

タフネス1への対処カードは次のような黒のコモンカードたちがあります。
《夢棄ての魔女/Dreamspoiler Witches》
《ただれたゴブリン/Festering Goblin》
《コショウ煙/Peppersmoke》


4.マナ基盤
コモン
《抵抗の微光/Gleam of Resistance》
《衝撃的な幻視/Traumatic Visions》
《ヴィスの吸収/Absorb Vis》
《焦熱の落下/Fiery Fall》
《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
《明日への探索/Search for Tomorrow》
《森の報奨/Sylvan Bounty》
《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》

アンコモン
《魔力変/Manamorphose》
《極楽のマントル/Paradise Mantle》
《鮮烈な草地/Vivid Meadow》
《鮮烈な小川/Vivid Creek》
《鮮烈な湿地/Vivid Marsh》
《鮮烈な岩山/Vivid Crag》
《鮮烈な林/Vivid Grove》

コモンに基本土地サイクリングのサイクル、アンコモンに鮮烈ランドのサイクルがありタッチカラーを使うことは容易といえそうです。
一方で、烈日や版図などの極端な多色化は緑に頼らないと難しいといえます。


5.コンバットトリック
コモン
《抵抗の微光/Gleam of Resistance》
《信仰の試練/Test of Faith》
《やっかい児/Pestermite》
《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
《粗暴な力/Brute Force》
《憤怒の魔除け/Fury Charm》
《残響する勇気/Echoing Courage》

アンコモン
《一族の奮起/Stir the Pride》
《羽毛覆い/Plumeveil》

トリックは構えられているマナからある程度の推測が出来る程度の枚数です。
しかしセット全体では有用なインスタント呪文が何かと多いため、本当にトリックかどうかには気を配る必要がありそうです。


6.装備品
コモン
《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
《ルーン刻みの鍾乳石/Runed Stalactite》

アンコモン
《極楽のマントル/Paradise Mantle》

戦闘関係の装備品は強力な《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》と、一部のデッキに需要があるかも知れない《ルーン刻みの鍾乳石/Runed Stalactite》があります。
神話レアにすごい装備品もありますが、気にしたら負けですね。


7.ブロックのメカニズム
このセットは大量のシナジーに溢れていて、そのメカニズムはここで紹介しきれない程です。
恐らく何らかのテーマを決めてドラフトすればデッキになる環境だとは思いますが、その分どのメカニズムが強力なのか、自分のポジションでは何が出来るのか、といった見極めが重要になると考えられます。

では、早速メカニズムを見ていきましょう。

・レベル―白黒
所謂リクルーターから後続をサーチし続けることが出来る強力な部族シナジーです。
《アムローの偵察兵/Amrou Scout》 リクルーター
《アムローの求道者/Amrou Seekers》
《静寂の捕縛/Bound in Silence》
《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse》
《荒廃語り/Blightspeaker》 リクルーター
《深洞のインプ/Deepcavern Imp》
《ラースのわな師/Rathi Trapper》

・アーティファクト―青白
様々なアーティファクトサポートのカードがあり、接合や親和アーティファクトなどミラディン由来の能力も多く再録されています。
《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》
《聖域のガーゴイル/Sanctum Gargoyle》
《エスパーゾア/Esperzoa》
《エーテリウムの彫刻家/Etherium Sculptor》
《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》
《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
《爆片破/Shrapnel Blast》
《電結のとげ刺し/Arcbound Stinger》 接合
《電結の放浪者/Arcbound Wanderer》 接合
《電結の働き手/Arcbound Worker》 接合
《金属ガエル/Frogmite》 親和
《マイアの処罰者/Myr Enforcer》 親和
《マイアの回収者/Myr Retriever》

・フェアリー―青黒
ロードはレアですが、一部フェアリーの枚数を参照するカードがあります。
《フェアリーの機械論者/Faerie Mechanist》
《掛け鍵のフェアリー/Latchkey Faerie》 徘徊
《やっかい児/Pestermite》
《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》 枚数参照
《夢棄ての魔女/Dreamspoiler Witches》
《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》
《コショウ煙/Peppersmoke》
《泥棒スプライト/Thieving Sprite》 枚数参照

・ゴブリン―赤黒
アンコモンに《狂い婆/Mad Auntie》と《タール投げ/Tar Pitcher》がおり、相性の良い頭数を並べるカードも存在しています。
《婆の密告者/Auntie’s Snitch》
《顔投げ/Facevaulter》
《ただれたゴブリン/Festering Goblin》
《狂い婆/Mad Auntie》 ロード
《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》 トークン
《巣穴のこそ泥/Warren Pilferers》
《巣穴の運命支配/Warren Weirding》
《巣穴からの総出/Empty the Warrens》 トークン
《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》 トークン
《棘鞭使い/Stingscourger》
《臭汁飲みの向こう見ず/Stinkdrinker Daredevil》 ?
《タール投げ/Tar Pitcher》

・サリッド―緑白
数ターンに1回苗木トークンを生む能力を持ったクリーチャー達で、そのほとんどが緑です。
《淡色のマイコダーム/Pallid Mycoderm》
《スポロロスの古茸/Sporoloth Ancient》
《サリッド/Thallid》
《サリッドの発芽者/Thallid Germinator》
《サリッドの殻住まい/Thallid Shell-Dweller》
《胞子撒きのサリッド/Sporesower Thallid》

・巨人―赤白
全体的に重めで単体で使うことが多そうですが、《雷雲のシャーマン/Thundercloud Shaman》は強力なので取れた場合は固まった枚数があってもよさそうです。
《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》
《反目殺しの評決/Feudkiller’s Verdict》
《丘漁りの巨人/Hillcomber Giant》
《象牙の巨人/Ivory Giant》
《キスキンの大心臓/Kithkin Greatheart》
《死角持ちの巨人/Blind-Spot Giant》
《踏み潰し/Crush Underfoot》
《ハンマーハイムの落とし屋/Hammerheim Deadeye》
《臭汁飲みの向こう見ず/Stinkdrinker Daredevil》 !
《雷雲のシャーマン/Thundercloud Shaman》 枚数参照
《轟きの巨人/Thundering Giant》

・連繋
実は結構な枚数の秘儀呪文があるため、それなりに連繋を狙えるかも知れません。
お供としては《花の神/Hana Kami》があります。
《思考の鈍化/Dampen Thought》
《崩老卑の囁き/Horobi’s Whisper》
《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
《氷河の光線/Glacial Ray》
《岩石流/Torrent of Stone》
→秘儀
《来世への旅/Otherworldly Journey》
《天羅至の掌握/Terashi’s Grasp》
《深遠の覗き見/Peer Through Depths》
《洞察力の花弁/Petals of Insight》
《霧中の到達/Reach Through Mists》
《死の否定/Death Denied》
《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
《木霊の手の内/Kodama’s Reach》

この他にも部族シナジーをサポートする「多相」や往年の構築環境でも活躍した「想起」や「頑強」や「発掘」、さらには「待機」に「探査」に「双呪」に・・・
といった感じで色々なテキストを持ったカードが再録されています。
単純に同じメカニズムのカードを組み合わせるだけでなく、例えば《蟲の収穫/Worm Harvest》(回顧)+「発掘」など元のエキスパンションでは実現出来なかったコンボも実現出来るでしょう。


7つの分析は以上です。
個人的に、MMAはリストを眺めてあれやこれや考えているだけでも非常に楽しそうなセットだと思いました。
ドラフトをする機会に恵まれるかは発売してみるまで分かりませんが、ゲームとしては大いに期待の持てる内容になっていそうです。

コメント

マルティロ
2013年6月4日9:29

シールド行きましょ^^

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